食品3Dプリンタはスタートレックのフードレプリケータ

今から42年前に名古屋市工業研究所の小玉秀男氏が3Dプリンターを発明したのは有名な話ですが当時の日本企業はどこも興味を示しませんでした。

これが小玉さんがつくった世界最初の2ミリの層を27層積み重ねた高さ5センチの家の模型。

私は経済産業省が率先してこのような新技術を発掘して保護する施策が必要と思ってきましたが先の世を見通す能力を役人に求めるのは無理なようです。結果的に3Dプリンターはアメリカの3Dシステム社が実用化特許を取得して世界中に広がります。素材も樹脂から金属へと広がっていよいよ食品3Dプリンターの登場です。

まずこのNNNニュース動画食+3Dプリンターを見てください。

大豆タンパクを使った環境にやさしい食品を3Dプリンタでというのは前からありましたが、良いなと思ったのは咀しゃく介護の必要な人への食事です。魚も野菜も肉も噛めないからとか喉に詰まるからとミキサー食にしてスプーンで食べるのではなくペーストを3Dプリンターで成形して料理として視覚も味覚も楽しめる食事にするのは素晴らしいです。

これが調理3Dプリンターでカボチャ料理の成形中でしょうか。ノズルを増やせば複雑なものがつくれそうです。

海外でも3Dプリンタ食品の研究が進んでいますが、柔らかい素材を出力できる3Dゲルプリンタを世界に先駆け開発した国立大学法人山形大学の川上准教授 。

野菜の飾り切りは素材を捨てるところがないのでとてもSDGsです。

左が本物で右が3Dゲルプリンタ製です。まだリアルさには欠けますがパートパートの味がするのでミキサー食よりは絶対に良いです。

こちらは柔らかいゲルプリンタではなく大豆タンパクでリアルな肉の食感を出しているバルセロナのヨゼフシェフの紹介。

お菓子の世界は3Dプリンタのペースト成形に向いているようです。スタートレックに出てくるフードレプリケーターによく似ている気がします。

3Dプリンタで出来上がりのフルーツケーキの断面。

今度ゆっくりまとめてみようと思いますが日本の産業の将来のために新技術評価のできる人材を学問として育てる必要があると私は思います。今一番近いのは東京大学未来ビジョン研究センターですが。今後はぜひ商品企画の分野も加えて欲しいです。

ナショナルデパート株式会社の食品3Dプリンティングシステム「Topology」

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