50 Years of My GOOD DESIGN AWARDSその1

私はプロダクトデザインを中心にデザイン活動を続けてきておかげさまで50年を超えました。
写真は阿倍野にある私の母校大阪府立工芸(旧大阪市立工芸)の本館建物。1924年竣工なのでもうすぐ100年です。

学校のOBの有志が2013年から6つのデザイン科を横断して卒業年度に関係なくお祭り感覚で作品展を開催していて今年はその10回目になります。OB仲間の中西州さんと中尾晋也さんのお誘いもあって、私もデザイナー歴50年の記念に出させて頂く事になりました。今回と次回はそのお知らせです。

プロダクトデザイン界には毎年開催される日本デザイン振興会主催の「グッドデザイン賞」があります。私はずっとフリーランス(企業内デザイナーではなく外部デザイナー)でやってきて色んな製品デザインをしてきたので「グッドデザイン賞」にエントリーするチャンスに恵まれてきました。
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という事で私の「オトナ工芸魂」展示タイトルは「50 Years of My GOOD DESIGN AWARDS」です。50年間で46点受賞ですがこれは全て私がデザイナーとしてプロデューサーとして直接関わったものです。
まずは一覧表です。一番下の1972年から始まります。

特に印象深いものと開発裏話などを古い順に紹介します。
私の最初のGマーク受賞製品の大阪ガス(関西興業)バーベキューコンロ。市場には角型長方形の業務用はありましたが、業界で初めての優しいスタイルで汚れに強い家庭用ホーロー仕上げのガスバーベキューコンロです。


展示品は市場の高評価で1年後に追加モデルとして本体を長く伸ばした業務用にも使えるワイドタイプ。イエロー部の真ん中の四角い穴はマッチの火を入れる場所で時代を感じさせます。レバー式のガスコックも懐かしいです。

これは市販の家具や特注や造作家具に取り付けられる取っ手です。5mmのアルミ板と天然ゴムを使ったシンプルでモダンな造形が特長の取っ手のシリーズの一つです。金物のスガツネから販売されました。

スキーブーツのデザインは人の足型(ラスト)の知識が必要な上に足サイズ22cmから29cmまで展開のできるスタイリングデザインが条件です。当時の海外の雄、サロモンとノルディカに国産ブーツで果敢に戦いを挑んで3年連続で予想以上の好成績を収めました。

レディス用の love love シェーバーはずいぶんデザインしましたがこれは数少ないメンズシェーバーで回転刃全盛時代のNational(現Panasonic)際剃り付き電気カミソリです。

一般の人が使う民生用の製品に対して業務用というプロ用製品があります。これもそんなプロ用の計測器で食料品などの溶液中の成分濃度を測定する装置です。デザインの条件が小ロット多品種のために板金加工主体の本体でした。大胆な横の分割構成のモダンデザインで生産と組み立てとのしやすさを実現しました。特長的な袋文字品番の扱いが好評でした。

これも1989年から2003年まで発売されてグッドデザイン賞に加えて10年後のロングライフデザイン賞も受賞した、商品名に唯一という意味の冠詞まで付けてもらったザ・タップ。今もどこのお宅にも家にひとつふたつは転がっているタップです。シンプルでバランスの良いやさしいスタイルが人気でした。
これはその時のキャンペーン用カタログ。

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次回その2に続きます。

第10回オトナ工芸魂2022の日程と会場は
心斎橋 ギャラリー ササキ商店
9月29日(金)~10月4日(火)

ギャラリーササキ
大阪市中央区心斎橋1-6-4 佐々木ビル3F
080-3410-0156

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