廃棄してしまうエゾ鹿革の端皮に着目してその有機的な形状の中に動物たちが暮らす山々の風景をイメージした着物が先月5月にニューヨークADC賞(THE ADC ANNUAL AWARDS)にて銀賞・銅賞を受賞しました。その新鮮な美しさをご覧ください。
仕上がった着物です。感じる迫力はこれが生き物だったこと、生き物のバックグランドを見ているかのような山並み、端材ではあるが使い切っているSDG`s感が伝わります。
重ね合わせだと薄く軽く仕上がらないので手間のかかる張り生地の上に着色した皮を突き合わせで貼っているようです。エゾ鹿皮のピース製作の動画です。
ニューヨークADC賞ごの彼女の言葉です。
「この作品は、日本の皮革産業を支える職人の方々の技術の賜物であり、そして本プロジェクトに携わったクリエイティブチームの皆さまのご協力なしには到底なし得ませんでした。今回すでに定年退職された職人さんにもその方の優れた技巧が本作を作り上げるうえで必要不可欠ということでご参加いただいたのですが、
この取り組みをきっかけにその技術が再認識され、継承の流れが生まれたとお聞きしたときは言葉になりませんでした。ものを形にするだけでなく、こうしたかけがえのない伝統の橋渡しをすることも、私たちデザイナーの責務だと思っております。今後もデザインやアートの力を信じ、世界へさまざまな魅力をお届けできるよう精進してまいります」 。
動画では落ち着いた作家風の話し方をする彼女ですが私は昔の明るい元気な話し方の方が説得力が出るのではと思いました。
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