電気自動車の時代になると車の顔デザインはどうなる

昨年末に衝撃的な政府方針が発表されました。国が進める「2050年カーボンニュートラル」の一環で、2035年にはガソリンと軽油を燃料とする車の販売を終了するというものです。世界中が電気自動車になるまであと14年あるから別に関係ないかと思っていたら、

フォルクスワーゲンが増資を通して電気自動車への投資を3年間で4兆円と発表したために、車市場は一気に電気自動車の時代に突入しそうです。プロダクトデザイナーとしては各社のデザインの方向が気になります。

電気自動車のコンセプトカーは色々発表されていますが、今日はすでに発売されている車の中に各社の電気自動車を表現する顔デザインを見てみます。

TOYOTAはレクサス顔を継承して本格的に電気自動車事業をスタートしました。一方で豊田社長は水しか排出しない水素エンジンはカーボンニュートラルに入れるべきと主張します。

レクサスUX300e

レクサスの臼型大口デザインを見ると私はどうしてもコレを思い出します。

プレデター。意外とデザイナーの発想もこれかも知れません。

BMWはどんどん二つの縦穴を寄せてきて来ましたが、電気自動車になってとうとう一体の穴デザインになりました。

BMW iX

ラジエーター開口は必要なくなるのでこれからは穴と言うよりフラットフェース化していくようです。BMWはスターウォーズの人気キャラのボバ・フェット的です。

フォルクスワーゲンは投資を集中させて電気自動車の主導権を取りに行きます。不振だった中国での売り上げを伸ばそうとデザイン的には保守的な従来路線で、必要が無くなったラジエーターグリルは細いラインだけになりました。

フォルクスワーゲン ID.3

何といってもVWのロゴマークは強いです。

テスラ Model 3

電気自動車専業のテスラ社は余裕のフロント無開口が際立つデザイン。

テスラはなんかアマガエル風です。

心配なのがポルシェです。50年前から見ればわかるポルシェデザインで、うまく時代を捉えた品のある顔が売りのポルシェなのにどうした事でしょう。デコラティブで昔のスポーツカーに逆戻りしたフロントデザインがポルシェのEVの答えならとても残念です。

ポルシェ タイカン

中国の電気自動車BYTON(バイトン)M-Byte

中国の電気自動車の追い上げに苦慮するEUと日本の自動車メーカーですが中国車のデザインはガソリン車の顔の延長で無個性です。ロゴマークに強さと認知力のないのも辛いところです。

世界が電気にシフトして行く中で日本の車メーカーが生き残る道はモーターとバッテリー競争以外の、ガソリン車では出来なかった車の魅力づくりにありそうです。

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