嫌いなデザイン

私のように50年以上もプロダクトデザインの世界で仕事をしていると嫌いなデザインを依頼される事もありました。現在のPanasonic 旧National が1973年にクーガーというマルチバンドラジオを発売しました。SONYが1970に発売してヒットしたスカイセンサーの対抗馬でした。
これがクーガです。

ミリタリーフェイスと呼ばれたこのデザインはラジオからオーディオ、車にまで広がりました。まだ二十歳前半でデザイン会社の平スタッフだった私にもこの感覚のデザイン依頼が回ってきました。ラジカセやカーオーディオ、PAスピーカーなどをデザインしながらも、私はこのギャーギャーと騒ぎ立てるデザインが大嫌いになりました。
そしてこの騒ぎ立てるデザインは50年経った今もカーデザインの世界で生き続けています。
トヨタ アルファード
向こうから走って来るだけで騒がしいデザインです。

ニッサン エルグランド
アルファードよりはまとまりがありますがそれでも騒がしいです。

ダイハツ タントカスタム
軽のボディにこのデザインを詰め込むのはかなり無理があります。

スズキ スペーシアカスタム

このギャーギャーデザインですが日本ではいつの時代も一定量割合でこれがカッコいいという支持層がいて確実に売れるのです。グットバランスなモダンデザインなど蹴散らしそうなデザインスタイルが50年以上生き残っています。私はもうこの歳ですしデザインするのは勘弁して頂きますがどんな人達がこのデザインを支持しているのかはぜひ調べてみたいと思っています。

 

 

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