デザウマとしては初めてのロシアのウクライナ侵攻の話です。

私が北海道生まれと言うのは以前からここで紹介していますが今回のロシアのよるウクライナ侵攻で昔の事件を思い出しました。太平洋戦争の終戦の3日後に突如樺太の国境から侵攻してきたソ連は北海道を手に入れる計画だった事です。今のウクライナと同じです。この事は国内であまり知られていませんが多くの北海道民は知っています。

旧ソ連の北海道占領計画をスクープした読売新聞夕刊(1990年12月25日付)

話が長くなるので詳細は書きませんが、今まさに行われているウクライナ東部のドンバス東部平原での戦車戦が当時の日本の最北端の占守島でありました。赤いところです。島の64両の日本戦車隊は全滅しましたがその時間稼ぎのおかげで国後島の北方4島でソ連軍の侵攻は食い止められたという話です。

77年前の終戦の3日後に突然侵攻してきたソ連戦車隊と戦う事になった武装解除寸前だった占守島の日本軍戦車隊の写真がありました。当時から平地での戦いの優劣は戦車戦で決まるので今も自衛隊の戦車の多くは北海道に配備されていています。北海道の道幅は広くて特に冬場は雪でキャタピラが痛まないので訓練で国道を自衛隊の戦車が走っています。道民も普段の事なのであまり気にしません。

旧ソ連のスターリンも、1968年チェコのプラハを襲ったブレジネフも、今のロシアのプーチンもこの国では力を持ち過ぎた権力者が登場すれば侵略を繰り返すのだと知りました。

1945年8月18日に日本侵攻を開始したスターリンが予定していた国境線が何とこれでした。今の東ウクライナのようにとんでもなく乱暴な線引きです。

話は現在のウクライナです。毎日プーチンのウクライナ侵略とロシア軍の蛮行がニュースで流れていますが、中でも3月4月上旬のキーウ近くのブッチャでのジェノサイドは人間の所業とは思えないものです。
ここからはショッキングな映像が含まれていますので閲覧にはご注意ください。

日本ではまだあまり報道されていませんがAPニュース戦争犯罪ウォッチ:プーチンに金を払わせる女性の紹介です。
登場するのはウクライナで最初の女性検事総長を務めるイリーナ・ヴェネディクトヴァ。

ウクライナのゼレンスキー大統領が2020年3月にヴェネディクトヴァを検事総長に任命しました。
そして彼女は汚職と非効率な検察を引き継いで改革者として何千人もの検察官を誠実さとプロ意識の基準を満たしていないと解雇しました。


2022年3月22日、ウクライナのリヴィウにある彼女の事務所でのインタビューです。彼女はロシアに責任を負わせるための世界的な法廷闘争の最前線にいます。彼女の事務所はウクライナ侵攻に関連する8,000以上の犯罪捜査を開始し、500人以上の容疑者を特定しました。(Tom Jennings / FRONTLINE via AP)

彼女の検察官チームはウクライナ各地で砲撃がどのように聞こえたか、衝撃に対してどのような種類の爆弾が使われたかを尋ねます。彼らはどんなユニフォーム、どんな記章を付けていたかを尋ねます。
ブチャの数キロ西にある町ヴォルツェルに住むアラは彼女のアパートを破壊した迫撃砲の破片を持って来ました。濃くて灰色の金属を集めました。「彼らが罰せられるための証拠が必要です」と彼女は言います。
彼女は1,000人の被告になると予測している戦争犯罪事件の準備のために人権団体との同盟関係を築きました。 すでに16のウクライナ市民社会グループと5AM連合を結成し、潜在的な戦争犯罪を記録しました。オープンソース資料の分析に加えて彼らは検察官と共有するために全国で証拠を収集する訓練されたモニターのネットワークを管理します。

ロシア軍によって虐殺されて埋められたブッチャの公園の遺体掘り起こし作業現場です。

上の写真の地上現場で遺体の黒袋があります。

これはAP通信のRodrigo氏の撮影であまりにショッキングな写真で世界中に配信されました。

情報レジリエンスセンター、ベリングキャット、国際人権パートナーシップなど、世界中の研究者が参加し、ソーシャルメディアへの投稿を精査して何が起こったのか、誰が責任を負うのかを確認していきます。

ヴェネディクトヴァ検事総長はスマートフォンで情報を収集する一般市民の支援を奨励しています。戦争の5週間後、6,000件を超える提出がありました。 彼女の優先事項は戦争犯罪者のお金を押収し、それを犠牲者に渡すことです。彼女はロシアの容疑者が彼らの富を隠している世界中の国々からの協力を必要としています。

多くの国では外国の裁判所のために資産を合法的に差し押さえることはできません。 ウクライナはこの世界的な宝探しをクラウドソーシングしており、英語、ロシア語、ウクライナ語のポータルで誰でも資産に関する情報をアップロードできます。 米国、EU、英国、スイスなどによって凍結された数千億ドルのロシアの資産をウクライナの復興と賠償に資金供給するために使いたいと彼女は言います

彼女は犯罪者を罰して犯罪者を苦しませる事が人々を安心させる。「私の最初の喜びは誰かの別荘やヨットを売った時の勝利です。家から逃げることを余儀なくされた普通のウクライナ人はこの補償を受け取るべきだ。」と彼女は言います。
レポートは以上です。

ここにきてプーチンの発言が「ブッチャの虐殺はでっち上げでフェイクだ。」から「ブッチャの虐殺はロシア軍は関知していない。」へと変わりました。これもヴェネディクトヴァの検事総長の証拠固めの成果と思います。今回のデザウマは悲惨で一部の写真を含めて扱うかどうか迷いましたが書きました。

実は文中のキャプションに取材に同行しているTom Jennings (写真)/ FRONTLINE via APの紹介があります。

このTomはデザウマNYC特派員つゆこさんの友人で、私も一度だけ大阪で一緒に食事をしたことがるドキュメンタリー映画製作者です。これまでにエミー賞2回、米脚本家組合WGA賞を6回を受賞してる有名な方というのを後で知りました。今回Tomは1月にハンガリーの汚職事件を追ってEUに入っていたのがロシア侵攻で急遽キーウからAP通信社とブッチャに入ったのだとか。Tomの無事帰国を祈ります。

ちなみにこのTomですが大阪に来た時に布施の岩山海という居酒屋に連れて行って、焼蟹のミソに蟹身を付けて食べるのと蟹の甲羅酒を飲ませたらdcadent‼(これはヤバい!!)と叫んでいたとても明るくてフレンドリーな人です。

コメント